健康や美容のため、ミネラルを豊富に含む硬水が注目を集めています。そうした硬水が持つさまざまな魅力を体験できる「硬水LAB」セミナーが5月12日、東京・恵比寿ガーデンプレイス内のビストロ石川亭で開催されました。このセミナーはメディア関係者に向けて一般社団法人アクアミネラーレ協会が主催したもの。"水"のプロフェッショナルに学ぶ硬水のパワーやその楽しみ方、さらに硬水を使用した料理&ドリンクで盛り上がったセミナーの模様をご紹介します!
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硬水が持つさまざまな力について教えてくれたのは、テレビや雑誌などでも栄養学に関する情報をアドバイスしている医学博士・管理栄養士の井上正子先生。栄養学的な立場から、硬水をおすすめします。その理由となるのが「現代人のミネラル不足」です。「ミネラルは人間の体のさまざまな代謝に不可欠な栄養素。硬水はカルシウムやマグネシウムといったミネラルを豊富に含んでいます。ミネラルは水に溶けてイオン化した形が最も吸収性に優れているので"水"でとるのが効果的といわれています」。日本やアメリカで行われた過去の調査や発表でも、硬水を飲んでいる地域は脳卒中、狭心症や心筋梗塞などの循環器疾患の死亡率が少ないという報告がされているそうです。
また、カルシウム補給のためにも硬水は最適。「ミネラルウォーターのカルシウムは骨の健康に良い効果を与えることが報告されています。乳製品など食事で十分にとることができない人は、カルシウム不足を解消するためにも硬水を飲むと良いでしょう」どんな時に硬水を飲んだら良いのか。井上先生は健康面へのおすすめを紹介していきます。「運動時はミネラルバランスの良いものを。食べ過ぎ防止にも硬水は良いですし、特にダイエット中の人はミネラルが不足しがちなので、積極的に取り入れてほしいですね。カルシウムやマグネシウムは精神を安定させる作用があるので、イライラ防止にもつながります」
最近人気の高い炭酸入りの硬水も上手に取り入れると良いそうです。「炭酸は疲労の原因となる乳酸を体外に排出したり、血行を促進する効果があります。疲れ、肩こりを感じた時、炭酸の硬水を飲むと症状が和らぐことが期待できますよ」とアドバイス。
さらに、将来の健康を考える上で、井上先生は水の重要性を訴えます。「日本は超高齢化社会を迎えることになりますが、現在メタボリックシンドロームより心配されるのが、『ロコモティブシンドローム』や『サルコペニア』です」。「ロコモティブシンドローム」とは変形性関節症や骨粗しょう症などの運動器症候群、「サルコペニア」とは加齢に伴い筋力が著しく低下していく老年症候群のひとつです。「ミネラル豊富な硬水はこれらの症状に有効だと考えられています。これからは健康を意識して水を飲むことがますます大切になってくるのです」と硬水の可能性を伝えました。
健康な毎日を送るための大切なパートナーとして、硬水の力がますます注目されそうです。 -
硬水の活用法や楽しみ方をレクチャーしたのはアクアソムリエの山中亜希さん。ミネラルウォーターの専門スクール「AQUADEMIA」の校長を務める水の第一人者です。「忙しい現代人こそ硬水を上手に取り入れることで、健やかな毎日を送ることができます。気軽に楽しく『硬水ライフ』を始めてみましょう!」
<硬水ライフ24時>
- ●朝の目覚めに硬水・炭酸入りの硬水を
- 便秘にも効果的なマグネシウム豊富な硬水や、腸を動かす炭酸入りの硬水で朝からすっきり。1日のミネラルチャージとしてもおすすめ。
- ●食事には中程度の硬水をお供に
- 料理の味を活かしつつ、ミネラル補給が可能。ミネラルはビタミンの吸収を促進する効果も。食事5分前に1杯飲むと食べ過ぎ防止に。
- ●ブレイクタイムには炭酸入りの硬水を!
- 炭酸で疲労回復・集中力アップ。間食予防のためなら、しっかりとした飲みごたえのある超硬水のものを選ぶのがおすすめ。
- ●残業中には炭酸の硬水がおすすめ
- 炭酸は疲労回復に。硬水に多く含まれるマグネシウムは神経の高ぶりを抑える作用があるので、ストレス緩和やリフレッシュにも。
- ●飲み会でも水分・ミネラル補給を積極的に
- アルコールの利尿作用により体内のミネラルが排出されてしまうので硬水を。脱水症状や悪酔いを防ぐためにも水分を多くとること
- ●就寝前にはコップ1杯の軟水~中硬水を
- 睡眠中は汗をかくので、脱水症状を予防するためにも水分補給を。夜間のトイレが気になる人は就寝1時間前までに飲んでおく。
硬水を積極的に取り入れると、美容面での効果が期待できるとのこと。「まずお通じがよくなる。代謝がアップするので肌の状態も整います。その上、疲れやむくみが起きにくくなるなど、体質の改善も期待できるのです」。美容効果を目指すためにも、硬水を苦手な人はちょっとした工夫をすることで、楽しく飲むことができるそうです。
- ●少し冷やすなど温度を変えてみる
- 硬水に慣れない方は、若干冷やしたほうが飲みやすい。温度の目安は12~15度、炭酸なら10~12度。硬水本来の飲みごたえが好きな方は常温で。
- ●グラスで味わいを楽しむ
- 炭酸入りの硬水は温度が伝わりにくい足付きのグラスで飲むなど、ペットボトルからグラスに注いで飲むことがおすすめ。
- ●レモンやバルサミコ酢、シロップなどを加えてみる
- 好みにより、酸味や甘味を加えることで飲みやすくなり、バリエーションも楽しめる。
ミネラルは体内でつくり出すことができません。そのミネラルの中でも、現代人のカルシウム不足は深刻。山中さんはミネラル不足を解消するためにも、「硬水の摂取が重要」と力説します。「まず、自分の食生活にミネラルを十分にとれているか見直すこと。足りないと感じたら、少しずつ硬水を取り入れていきましょう、たとえば1日のうちペットボトル1本分から硬水に代えてみてはいかがでしょう。硬水にはさまざまな種類があるので、自分の好みに合うものがきっと見つかるはずです。硬水は一生付き合うもの。体調を考慮しながら、無理せず『硬水ライフ』を続けてください」
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セミナーの締めくくりは、硬水を使った料理やドリンクの試食会。調理を担当したのは、会場となったビストロ石川亭・恵比寿ガーデンプレイス店の料理長、畠辰徳さんです。ビストロ石川亭は"日本の食材で表現するフランスの日常食"がテーマの人気レストラン。経験豊富な料理長が、同じ料理を硬水と軟水を使って、その味わいの変化を比較してみました。 「水を使い分けて料理の仕上がりを比べてみるのは初めて」と畠さん。その違いはいかに?
- 硬水で調理すると・・・・・・
- ●根菜のミネストローネ
- 野菜のうま味がギュッと閉じ込められ、野菜それぞれの味わいを実感。スープもすっきりとした味わいに。
- ●鶏の赤ワインビネガー煮込み
- あくの出方が軟水とは異なる。肉本来のおいしさが感じられ、弾力のある仕上がりに。ビネガーの酸味もマイルドになり、肉汁とのからみも良し。
- ●お豆のサラダ
- 豆を煮ると粘りが出るが、硬水だと煮崩れしない。しっかりと歯ごたえがあり、ほくほくとした食感なので、食べごたえあり。
- ●自家製パン
- 軟水で作ったものより、堅くてしっかりとしたパンに。皮はパリパリ、中はふっくら。かみしめるほどにおいしさを楽しめる。
料理に加えて、硬水を使った3種類のスペシャルドリンクも提供されました。
現在人気を集める炭酸入りの硬水、ゲロルシュタイナーを使ったものは2つ。「パッションフルーツジンジャー」は、シュワシュワとした発泡感と硬水ならではのしっかりとした味わいが魅力で、ほんのりジンジャーが香るさわやかな1杯。「トマトのガスパチョ」はトマトと炭酸入りの硬水の組み合わせにより、風味や味わいがアップ。超硬水のコントレックスを使用したのは「レモン&ローズヒップのピンクレモネード。レモンの程よい酸味と超硬水の飲みごたえのある味わいがマッチした満足感のある飲み物となりました。
- 東京都渋谷区恵比寿4-20-4 恵比寿ガーデンプレイス グラススクエア B1F
℡ 03-6721-6821 営業時間/月~日 11:00~23:00(L.O.22:00)
JR恵比寿駅 東口 徒歩5分 地下鉄日比谷線恵比寿駅 徒歩5分
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