一般社団法人 アクアミネラーレ協会
Aqua Minerale Japan Association
このコーナーでは、皆さんがご存じのミネラルウォーターについて、協会会員がリポートしたものをご紹介していきます。
皆様からの投稿を募集しています。

クリスタルガイザー 〜大自然からのプレゼント〜
「ウィード滞在日記」
アクアアドバイザー
江口 慶太さん

※画像はクリックで拡大表示します。

私は現在、世界一周の旅をしています。
旅をしながら世界中のミネラルウォーターを飲んだり、世界中の採水地を巡ったりしています。
いわゆる、水を巡る世界一周の旅と言っても過言ではありません。
旅を始めて約4ヶ月間。
今までカナダ、アメリカ、メキシコ(現在)と3ヶ国を、時間をかけて周っていますが、
販売されているミネラルウォーターの種類や価格は地域によって様々です。

話は変わりますが、私がミネラルウォーター(飲み水)に興味を持ったのは大学生の時です。
大学の校内で販売していたクリスタルガイザーをよく購入して飲んでいました。
その時から味やら硬度やらを気にし始めたことを覚えています。


今回、アクアミネラーレ協会様のご厚意により大塚食品株式会社様をご紹介頂き、アメリカカリフォルニア州のウィードという町にあるクリスタルガイザーの工場及び採水地見学の機会を頂戴しましたので、張り切って行って参りました。

クリスタルガイザーはアメリカを代表するミネラルウォーターです。
「マウントシャスタ」「マウントホイットニー」を水源として生産されており、
アメリカのみならず、日本をはじめ世界各地で販売されています。
日本国内での販売は、大塚食品株式会社様がなさっています。

今回、ウィードでは大塚食品株式会社国際部課長の佐藤満様のご案内で、
マウントシャスタの麓にある工場及び採水地とその周りの自然を見学させて頂きました。
佐藤様、その際は大変お世話になり有難うございました。

ウィードには7月22日(日)から24日(火)の3日間滞在しました。
以下、『ウィード滞在日記』となります。


7月21日(土):ウィードへ出発

1ヶ月間のバンクーバー留学生活(旅中のに思いつきで語学留学をしていました。)
を終えた私は、『1ヶ月間アメリカ周遊の旅』に必要な1ヶ月間長距離バス乗り放題パス
(グレイハウンド社のディスカバリーパス)を約450ドルで手に入れ、
バンクーバーのバスストップから友達に見送られ、午後2時に出発し、
目的地「ウィード」へと向かいました。
ウィードまでは18時間のバスの旅・・・・長いです・・・。
低所得利用者が多いグレイハウンドバスは、黒人の利用者も多く、 物騒だといわれているので、ドキドキしながら
席に座り、注意しながら自分の手荷物を片時も手から離さず乗っていました。


7月22日(日):ウィード到着とご対面

乗り換え回数3回(真夜中の乗り換えは地獄です。)、乗車時間きっちり18時間を
乗り終えた私は車内で寝たはずなのにくたくた・・・。
(お尻の痛さは尋常ではありませんでした。)

やっと朝8時にウィードに到着しました。

 

ウィードのグレイハウンドバスのバスストップ。
驚くほどの小ささと素っ気なさです。

中ではジュースや雑貨も売っていました。

到着したばかりの私。
くたくた過ぎて焦点が合っていません。

バックからiPhoneを取り出しWi-Fiが使えるかどうかを調べてみると、奇跡的に使えました。
早速、今の位置とあらかじめ予約しておいたホテルの位置を調べてみると、 歩いていける距離だったので出発!!

バンクーバー滞在ですっかりなまってしまった私の身体にバックパックは重く、 速度は通常の人の半分くらいでしょうか、朝の静かな道をゆっくりと歩きました。
歩いている途中、ふと右を見上げると富士山のような山が堂々とそびえ立っていました。

そう、マウントシャスタです。
朝日と朝靄に包まれた神々しいマウントシャスタは私に「ようこそ!」と声を掛けてくれ、一歩一歩と前に進む為の力を分け与えてくれました。

ホテルに到着し、荷物を置かせてもらい、チェックインの時間までウィードの町を 探索することにしました。
ウィードは小さな町で、日曜日の午前中ということもあり、メインストリートの店は全て閉まっており、誰一人歩いていませんでした。

空気は乾燥しており、日差しが強く肌がひりひりと痛いくらいです。


マウントシャスタは標高4322m、古くから先住民に聖なる山として崇められ、その名前は先住民のシャスタ族よりつけられました。


他のミネラルウォーターと比べ、
圧倒的な存在感で陳列されているクリスタルガイザー。

宿泊したホテルの近くにコンビニ、ガソリンスタンド、レストラン、
スーパーが一軒ずつありました。
クリスタルガイザーを一目見ようとコンビニに入り、中を物色すると、
飲み物コーナーには「さすがクリスタルガイザーの採水地がある町!」
という程にクリスタルガイザーがずらりと並んでいました。


夕方5時。

実は、見学日前日のこの日は佐藤様より夕食にお誘い頂いており、ホテル前で佐藤様を待っていました。

初めてお目にかかり、名刺の交換等のご挨拶をさせて頂いた時はとても緊張しました。
しかし、佐藤様はとても気さくなお方ですぐに楽しく会話をすることが出来ました。

夕食はオーガニック食材を扱っているという日本料理屋に連れていって下さり、 久しぶりの日本食を堪能し、佐藤様と色々なお話をさせて頂きました。とても楽しかったです。


7月23日(月):見学1日目

佐藤様が朝10時にホテル前に迎えに来て下さり、向かった場所は、
なんと・・・・クリスタルガイザーの採水地。

いきなりのメインディッシュに、私は心踊らずにはいられませんでした。

はじめは整備された道路、次に砂利道、最後には道なき道を車で走る事約20分、
クリスタルのように透き通った小川が流れる場所に到着しました。
木々と清らかな水の香りが鼻をかすめていき、心地良い気分がする場所です。
周りを見渡す限りは森and森・・・・大自然の中です。

少し歩くと長方形に建てられたフェンスがあり、その中には小さな建物がありました。
工場に採水した水を送る為のポンプ小屋です。

さらに進むとまたフェンス。

フェンスの扉には厳重に鍵がかけられています。
佐藤様が扉を開けると、採水地のお目見えです。
採水地はコンクリートで囲まれており、その周りには余計なゴミが入らないように
黒いビニールのようなものが被せてあります。
水が湧き出ている様子は見えませんが、右を見ると水がフェンスの外に流れています。
採水は必要量しかしない為、余った水は外に流しています。
もちろん、その水の正体はクリスタルガイザーです。

その光景に私は大興奮。

日本でも有名なクリスタルガイザーの採水地が目の前にあり、
しかもクリスタルガイザーの小川も発見してしまったんです。

そして、すぐさまに「あの小川のクリスタルガイザーを飲んでみたい」という
欲求が生まれ、それはどんどん大きくなりました。

佐藤様のお許しを得たので私は膝を折り、両手を冷たく冷えている
クリスタルガイザーの中に入れ、顔を小川に近付け、
すくったクリスタルガイザーを口に運びました。
口の中に入ったクリスタルガイザーは喉の奥にすっと入ってきます。
その味は、まろやかで、柔らかくて、ほんのりと甘みがありました。
私は何度もクリスタルガイザーをすくって飲みました。


佐藤様の車で砂利道を
ガッタンガッタン
揺れながら走りました。


大自然の中を流れる小川。
曲がっている木が神秘的でした。


クリスタルガイザーの採水地。

クリスタルガイザーをガブ飲みしている私。
とても冷たく、手が凍えながら何度も飲みました。

その後、ウィードに戻り、特大のハンバーガー(マウンテンバーガーといういかにもでかそうな名前のハンバーガー)を食べてからクリスタルガイザー工場に到着しました。

車を降りると、まず目に飛び込んできたのは真っ青な工場と真っ青な空、
そして、その後方にそびえ立つマウントシャスタ。


マウンテンバーガーです。
大き過ぎて半分しか食べられませんでした。


クリスタルガイザーの工場。
真っ青な工場です。

工場内は写真撮影禁止とのこと。
佐藤様から渡された薄い布のふちにゴムが入っている帽子を被り、 ベストを着て工場に入りました。
正面玄関に入るとまず事務所が何部屋かあります。
奥の扉を開けると、とても広い工場内。
工場内ではたくさんのレールがあり、そのレールにぶら下がった空のペットボトルがものすごいスピードで走り回っています。

既に水が入っているペットボトルは、ダンボールの中に入りたいのか、ゆっくりと順番待ちをしていました。
工場内を移動する際は、そのレールの下をくぐり、床に黄色のテープでラインが引いてあるので、そのテープに沿って歩きました。
「ゴーッ」という音が工場内に響き渡る中、佐藤様には色々と説明して頂きました。

ミネラルウォーター『クリスタルガイザー』の生産過程は下記の通りとなります。

1.ボトル生産
ペレットと呼ばれる直径5mmほどの粒状プラスチックに熱を加え、試験管のような形状に加工します。
※蓋を接続する部分は既に出来上がっています。
加工されたものを熱と空気で膨らませ、ボトルの形状に加工します。
ボトルの傷や形をカメラによりで自動で検査します。
不合格のボトルは自動的に外に弾かれます。
2.水の充填と箱詰め
ボトルに水を充填します。
オゾン殺菌をします。
※オゾン殺菌ではボトルと水の両方を殺菌できます。 蓋を閉めた状態でも2日後にはオゾンが抜けます。
キャップを締めます。
ラベルを巻きつけます。
キャップの締まり具合などを自動で検査します。
不合格のものは自動的に外に弾かれます。
箱詰めします。
本数を調べるため為に重量を測り、自動で検査します。
パレットに積みます。
出荷まで保管します。
※日本向けの商品は、東京、大阪、名古屋、福岡、
仙台、沖縄に出荷されます。


ボトル生産からパレット積みまでは全て自動で行われ、 その過程は1本につき5分から7分と超高速です。

技術者でもある佐藤様は、よりスピードを上げたいとおっしゃっておりましたが、その分ロス率も上がるため、なかなか難しいとのことです。
また、採水されてからボトリングされるまでは約1時間しかかかりません。
とても新鮮なままボトリングされ、消費者の私たちの手元に届いているということになります。
そして、最大の特徴は、ボトルを自社で生産していることとオゾン殺菌です。
ボトルを自社で生産しているところは珍しいとのことです。
オゾン殺菌は東京や大阪の浄水場でも使用されている技術です。
最先端の技術でコストはかかりますが、殺菌作用及び無害性に長けている殺菌方法です。



工場内を一通り見学させて頂きし、お土産の帽子まで頂きました。 この帽子を持っている日本人は少ないとのことです。


帽子と工場とマウントシャスタ

工場の皆様、お忙しい中見学のために時間をさいてくださり、本当に有難うございました。
写真は工場前でのショットです。
頂いた帽子をこの時からずっと被っていました。


工場を後にし、ウィードの自然見学に出発です。
壮大なウィードの自然を紹介します。

まずサクラメント・リバー・ヘッドウォーターに行きました。

佐藤様と私のツーショット写真。
楽しかったです!


お水を汲みに来た方々。
遠くから来たのでしょうか?

その名の通り、サクラメントリバーの源泉です。
ここは、有名な採水ポイントで多くの方が採水に訪れます。
私も採水して飲んでみましたが、冷たくてとても喉越しの良いお水でした。
大量の水が湧き出ていて迫力あり。


次に向かった場所は、キャッスルレイクです。
森と崖に囲まれた静寂な湖。水は透き通っていて、 ゆっくりと時間が流れている感じがします。


木々に囲まれているキャッスルレイク


透明度が高く、湖底が見えます


後方にそびえるはマウントシャスタ

人々はその周りでキャンプをしたり、湖で泳いだりと楽しい時間を過ごしていました。
佐藤様と私は湖の周りを歩いてハイキングしました。


そして、次はレイクシスキューに行きました。
キャッスルレイクの約10倍の広さを持つ、広大なダム湖です。

佐藤様と私はダムまで歩き、谷底を覗いてみました。


レイクシスキューとマウントシャスタ
大自然過ぎます


レイクシスキューのダム


ダムの谷底は深く、恐る恐る覗きました



そして、この日に最後に訪れた場所はマウントシャスタです。
マウントシャスタは富士山のように五号目まで車で行くことが出来ます。

万年雪がありましたが、夏のため、赤茶けた山肌が顔を出していました。
景色は壮大なのですが、やけに落ち着く場所です。
冬のマウントシャスタの姿は素晴らしいとのこと。とても見てみたいです。
このマウントシャスタからのプレゼントがクリスタルガイザーなのです。


テンション上がりまくりの私です


遠くから見るのとはまた違う表情を
みせるマウントシャスタ


雲がとても近いです

帰りに隣町のマウントシャスタシティに寄り、夕食をとってから帰路につきました。


7月24日(火):見学2日目

この日も佐藤様は10時に私が宿泊しているホテルに迎えに来て下さり、
ウィード周辺の自然見学へ案内して下さいました。

マクラウド・フォールズ最大の魅力は、三つの異なる滝です。
アッパーフォールズ、ミドルフォールズ、ロウワーフォールズ、
の三つの滝はそれぞれのエリアで独特の楽しみ方ができます。
三つの滝は小道で繋がっているので、一時間もあれば全て回ることができます。
佐藤様と私は、ロウワーフォールズ→ミドルフォールズ→アッパーフォールズ
の順に訪れました。
ロウワーフォールズからミドルフォールズには歩いて、アッーフォールズへは車で向かいました。

ロウワーフォールズです。
滝の下は天然のプールになっており、
たくさんの人々が泳いでいました。

ミドルフォールズへと
繋がっている小道です。

シマリスが何かを見ていました。
たくさんのシマリスがいます。

大自然の中を佐藤様と話をしながら
歩くこと約30分。
三つの滝の中でもっとも水量が多く、 迫力のあるミドルフォールズに到着しました。
ここに来る途中、岩の上で滑ってしまい 少し負傷しました・・。
日本人ファミリーが泳いでいました。 急に日本語で話し掛けられた時は ビックリしました。

痛さをこらえてポーズ!
マイナスイオンを浴びてすぐ治りました。

アッパーフォールズは崖の上から眺めました。
アッパーフォールズも好きですが、ミドルフォールズのほうがもっと好きです。

表情が異なる三つの滝をゆっくりと時間をかけて周っていた私たちは、たまに、ふと立ち止まり、人間の目という最高品質の広角レンズで様々なものが重なり合って調和している世界をじっと見ていました。
そして、たくさんの話をしました。
私はもちろんのこと、佐藤様も改めてウィードの壮大な大自然にうっとりしていました。


そして、歩き疲れた佐藤様と私は夕方4時とまだ早かったのですが、
佐藤様行きつけのスペアリブが美味しいお店に向かいました。

そこのスペアリブが美味しいこと!

肉汁とバーベキューソースの絶妙な絡み具合はうまく言葉に出来ません!
そして、濃度が濃くなった口内を薄めてくれるのが、ウィードのビール!
たまりませんでした。


実は、毎夜こんな感じに美味しい料理にビールを飲んで気持ち良くなっていました!


絶品スペアリブ。
バーベキューソースとの絡みが
この写真でもはっきりとわかると思います!


このように外で炭を使って焼いています。
美味しくないわけがないんです。
ビールもすすみました!(水はどうした?(笑))

この日は佐藤様とお別れの日。
また、必ずウィードに戻ってきますと約束をし、固い握手。


最後に

佐藤様、お忙しい中、3日間もお付き合いくださり、誠に有難うございました。
大変感謝しております。

私にとってウィードは忘れられない場所であり、戻ってきたい場所となりました。
ウィードの豊かな自然、豊富な水、壮大な景色は地球の宝のような、そんな大きな考え方も生まれてきてしまいます。
そんなウィードという大自然からのプレゼントであるクリスタルガイザーが美味しいというのは当たり前のこと。

理屈など何もいらないと心から感じました。

私の水を巡る世界一周の旅はまだ続きます。

 

アクアアドバイザー江口慶太