日本の基準において、硬水とは水中のカルシウムとマグネシウムの含有量を数値化して100㎎/l以上の水のこと。日本では軟水が多く、ヨーロッパでは硬水が多く採水されます。この違いは水ができるまでの環境や過程によります。そもそも天然の水とは、地中に染み込んだ雨や雪が地層中でろ過されながら、地層内のミネラルを吸収して湧き出たもの。日本は山地が急峻で平野もさほど広くないので地中の滞在時間が短く、また多くが火山地帯で総じてミネラル分が少ない地層のため、軟水が多く生まれます。一方で、ヨーロッパ大陸は平坦な台地が広がっているので地中の滞在時間が長く、ミネラル分が豊富な石灰岩層の地層を通過するため硬水となります。
ミネラルは人間の体の中では合成することができないので、食べ物からとる必要があります。なかでも現代人が重視したいのがカルシウムとマグネシウムです。骨や歯をつくるカルシウムは現代人に最も不足しているミネラルで、その働きを助けるのがマグネシウムです。軟水は体に負担をかけずに体内を循環する水ですが、ミネラル豊富な硬水は積極的にからだを助けていく水といえるでしょう。
※アクアミネラーレ協会では、理化学辞典による178㎎/L未満を軟水・357㎎/L以上を硬水としており、その間は中程度の水ということで、中硬水と呼んでいます。
出典:「基礎知識からわかるミネラルウォーターBOOK 」