水と食文化は密接に関係しています。軟水が多い日本で和食が生まれたように、硬水が多いヨーロッパの料理、たとえば肉料理やパスタなどは硬水で調理するのに適しています。
肉を加熱すると、肉をかたくする成分が水に含まれるカルシウムと結合してアクが出やすくなります。中程度の硬水を使ってじっくり煮込むと臭みが消えて、肉のうま味が引き出されておいしく仕上がります。パスタは、軟水で茹でる場合はゆでた後には麺がくっつかないようにオイルやバターをからめますが、硬水でゆでた場合にはそのような手間をかける必要がありません。
硬水を使用するとバゲットのようなハード系のパンも現地風の仕上がりになります。本場の味を再現するため、硬水を使ってパンを焼きあげるレストランもあります。
また、ピラフやリゾットなどを粘り気がなくお米に芯を残した仕上りにしたいときや、素材を煮崩れさせたくないシチューなどのときには、硬水を使うのも一案です。
超硬水はハード系のパンに、中程度の硬水は肉料理やピラフやリゾットなどに使うとよいでしょう。
- 食材専門店に4年半勤務後、イタリアへ2年間留学。
帰国後、東京・西麻布にあるミネラルウォーター専門店「AQUA STORE AND BAR CONCEPT」の立ち上げに携わり、再度イタリアに渡り、現地でアクアソムリエの資格を取得。
2008年4月より、アクアソムリエを養成するミネラルウォーターの専門スクール「AQUADEMIA」を開校し、校長に就任。
現在は、ミネラルウォーターの正しい知識・情報の普及のために、セミナーや講演、また企業へのコンサルティング業務などを通じて活動している。
また、台湾・上海・香港・マカオなど海外からも、セミナーの講師として招聘されている。